デザイン経営と経営指針書の密接な関係−その1

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コロナ後の世界で必要なことは?

2019年の11月に発生した新型コロナウイルスの影響は、2020年5月の現在でも速度を緩めず、世界的に未曾有の事態を引き起こしています。
事態の収束は不透明で、いつこの状況から抜け出せるのか、誰にも分からない状況です。
しかしながら、経営者として分かることがあります。

経営指針を見直し新しい世界に備える

経営者として、ただじっと状況を見ているだけではダメでしょう。
このコロナ後の世界は大きく変化すると予測されています。
消費者や労働者の意識はコロナ前と後で大きく変化しているのは明白で、それに伴いサービスや働き方も変化しています。さらに、教育ですら大きく変わろうとしています。
このような次の世界に対して、経営者は今一度、自社の経営方針を見直し、新しい世界に通用する指針を示し、今のうちから準備をしておく必要があるのではないでしょうか?
コロナ後の世界でも活躍できる様に、経営をする上で必要な経営指針書の見直し、また経営指針書がない経営者の方は今すぐ作成に取り掛かるべきでしょう。

経営をする上で必要な、経営指針書とは

それでは、経営をする上で必要な経営指針書について説明します。
経営指針書とは、例えるならば登山をするために「どの山脈の、どの山頂を目指し、頂上に行くまでにどの地点でテントを張り、どのようなルートで登っていくかを記した登山のための計画書」のような物です。

一人で登る時でも当然必要な物ですが、仲間がいればなおさら必要です。
目指す頂上が明確でなければ、頂上までのルートも行き当たりばったりになってしまいます。共に頂上を目指す仲間にとっては、目指す場所もないのに、ひたすら山中を駆け回る日々に疲弊し、いずれリタイアせざるを得なくなります。
明確な目標・道標があるのと無いのとでは、明らかに成果や効率、そして日々の充実度が変わってくるはずです。
自分のためにも、仲間のためにも、目指すべき標を立てましょう。

そして、その計画書には、目標となる頂上で見える壮大な景色を記しています。
その景色を仲間と共に想い描き、共に目指す。
また、山に登る意義、誰のために山に登るのか?山に登るということはどういうことか?も明確に記しているのです。
だから、貴方はこのチームの一員であり、貴方の能力をこの分野で発揮して活躍して欲しいと、仲間に示しています。

経営指針書を作ると見えてくるもの

経営は逆算の発想であるということ

まず、経営指針書の構造は、下記の図の構造になります。
経営指針を成文化(文字・文章に書き起こすこと)すると、
まず、目標が明確になります。その後、理想とする目標と現状のギャップを分析し、そのギャップを埋めるための戦略→戦術→行動計画を立てます。
そうすることで、1年ための→1ヶ月、1ヶ月ための→1日というふうに
1年・1ヶ月の目標のために今日の1日があるのだというふうな思考が生まれ、1日1日が意義のあるもになり、逆算の思考で行動することができるのです。
これは、経営する上でとても大切な思想なのです。

経営理念とは

経営理念とは、社会が進化しても、環境が激変しても、変わらずにある普遍的なもので、永遠に受け継がれるものです。
この山脈(業界)、この山(業種)にいる意味や、それらを通して社会に、人に、どの様に役に立つかを端的に記した物と言ってもよいでしょう。
また、経営理念の変更は経営の軸を変えるようなもので、まさにブレる経営です。そのような経営は、統一すべき意識を壊し、組織の結束を緩め不安定な組織へと向かいます。

社是とは

社是とは、全員に求められる基本的な行動規範や心構えなどです。
仕事の前に人間としてどうあるべきかという部分でもあります。
「好きなことして生きていく」という言葉がありますが、決して「人への迷惑も顧みず何でもして良い」という事ではありません。必ず誰かに支えられ、誰かのお陰で今の自分がいることを忘れなければ、多くの人に信頼され、こちらの方が生きる手応えや誇り、充実感が生まれるでしょう。

ビジョンとは

究極の理想像であり、トップ自らが目指す夢、ありたい姿を描き、それを社員に示し、熱く語り合い、共感を得て、共に目指し、誠心誠意努力するものです。
目指す山の頂上から見える素晴らしい景色のことです。
一つの山の頂上に辿り着いたのであれば、またさらに高い山を目指していくのが素晴らしい経営ビジョンです。

これら3つを定めた後は…
業界と自社の現状を分析し、目標とのギャップを計ります。

ビジョンが夢で終わらないよう、自社の実力を分析します。
「顧客軸」顧客の視点…業界・市場・営業販売活動・占拠率
「機能軸」業務プロセスの視点…製品・サービス・品質・スピード・価格・ブランド力
「技術軸」人材と変革の視点…技術・能力・情報ノウハウ・資格
「財務軸」資産・キャッシュの視点…自社の体力・キャッシュフロー

夢や理想がそのままで終わってしまわぬように、
現状からビジョンへの成功ロードマップを敷く

分析した実力を元に、ビジョンへ一歩でも近づくために、
戦略→戦術→行動計画を立て、成功のためのロードマップを作成します。

戦略とは

戦略とは、目標とする方向に正しく向かうという事です。
現状分析からのそれぞれの軸に対して、どの様に改善・実践すれば、ビジョンを達成する事が出来るかを考え、戦略を立てます。
目標を達成するために、どの山を目指すのが良いかということです。
日本一高いところの景色をみるという目標なのに、富士山以外の山に登るのは戦略(行き先)を間違えていますね。

戦術とは

戦術とは、戦略を正しい手段で行う事です。
各軸の戦略に対して、具体的に何をするかを決めましょう。
山を登るといっても経営の登山はハイキングではないので、何ヶ月も何年も頂上を目指します。どのペースでどのルートを通り、どこでテントを張って一泊するか、具体的な道を決め、必要な仲間や荷物を事細かに決めることです。

行動計画とは

戦術をいつまでに行うか、具体的な行動を計画します。
短期・中期・長期の計画が重要となります。
現状分析からのそれぞれの軸に対して、それぞれの計画が必要です。

以上が経営指針書の大まかな内容です。
これらを改めて成文化し、指針を示すことで、道をそれずに経営を行うことが出来るようになります。
是非、このコロナ禍の今こそ経営指針を見直しましょう。
次の項では、経営指針書がどのようにデザイン経営と結びつき、デザイン経営に役に立つのかを説明致します。

【どの時代でも必要なデザイン経営とは】

[タッグデザイン事務所]

デザイン経営・宣伝広告戦略・デジタル運用は、
タッグデザイン事務所へご相談ください。
事例と共に、無料でご相談にのります。
経営指針の成文化のお手伝いもさせて頂きます。

無料ご相談はこちら→

SNSでもご購読できます。