経営理念は大切とよく言われていますが、意外と経営理念がない場合も多く「患者様に良い治療を提供する」という漠然とした考えだけがあります。
また経営理念がしっかりと定められている場合でも実際には、形骸化(誕生・成立したときの意義が失われて、中身のない形だけのものになってしまうこと)されていて、院内に浸透していない場合も多いです。
そもそも経営理念とはどういったものでしょうか?
目次
経営理念とは?
簡単にいうと基本となる考え方を示すものです。経営の現場で日々発生する問題の解決、今後の医院の方向性の決定、決断のよりどころになるのが経営理念です。経営理念が定まれば、医院がどんなことをすべきかが明確になり、様々な取り組みもその理念に沿った行動であれば組織内に浸透しやすくなります。
経営理念の構成
経営理念を構成する要素として「Mission(使命)」「Vision(志)」「Value(価値観)」の3つがあります。
●ミッション(存在意義や社会における役割)
「どんな目的のために」「どんな行動をするのか」など与えられた重要な務め、責任を持って果たさないといけない任務のこと
●ビジョン(実現したい未来や将来ありたい姿)
「10年後にはこうなっていたい」「将来はこんな歯科医院でありたい」など目指す姿、目指す方向性のこと
●バリュー(共有する価値と行動指針)
ミッションとビジョンをどんな姿勢で取り組みどのような価値を提供するかを示したもの
自分たちはどんな価値を提供し、どこを目指すのか。そのためにはどうあるべきで、何にこだわり、何をするべきか。これらを明確にする事が経営理念には必要になります。
経営理念を定める理由
経営判断の軸となる
経営は判断の連続です。その判断には大きな責任が伴い、医院の今後も大きく左右します。このような大きな決断をする時に経営理念を基にする事で大きな迷いが無くなります。
主体的に判断や行動ができるようになる
経営理念を通じて医院としての方向性や判断軸を示すことができます。「何のために」「どのような業務に取り組む必要があるか」を、スタッフ一人一人が理解し、自らの責任のもとで行動しようとします。
価値基準の共有で医院の一体感が増す
医院内の一体感を高め、同じ方向を向いて進むことは、医院の成長に欠かせない要素だといえます。価値基準が共有できることでチームワークが増しやすく、仕事を進めていくうえでも大きなメリットです。
理念に共感するスタッフが集まる
経営理念があることでその会社がどんな会社なのかという企業イメージや雰囲気が浸透しやすく、その想いに共感してくれる方が集まって来やすいです。
経営理念はうまく浸透しづらい
しかし、これら多くのメリットがあるのにも関わらず、経営理念には大きな課題があります。それは、経営理念をきちんと定めていても組織内にうまく浸透しづらいという点が挙げられます。
経営理念を定めて満足してしまっているから
経営理念は、スタッフに理解されて日々の業務の中でそれを基に実践されて、初めて意味があります。ただ時間だけ経過したとしても、浸透するものではありません。理念をスタッフに伝えようとする工夫は必ず必要になります。そして、伝える時は、そこに想いがなければ受け取る側にも伝わりません。経営理念を定める時に経営者が本当にそうしたいと思うことを経営理念にするという事も非常に大切です。
経営理念が表面的な理解にとどまっているから
経営理念の言葉の意味は理解していても、経営理念が示す方向性や、その実現のために必要な行動が何であるかが、しっかりと伝わっていないのです。スタッフ1人1人が自分の中に落としこまない限りは、行動にも変化が出ません。行動する時も他者に言われてするのではなく、自分自身が必要だと理解して行動するのとでは、行動の中身の質に違いが出ると思います。スタッフが主体的・自律的に判断・行動できるようにするためにも、経営理念から何を伝えたいのかを明確にしておくと良いと思います。
スタッフが経営理念の必要性を感じていないから
経営者は自身が作成した経営理念を基に、10年後20年後の会社の未来を見て行動を取る責任があるのに対して、新入社員などの暦が浅いスタッフは個人がやるべき仕事を全うすることが責任であり、目の前の仕事と向き合う事が精一杯です。このように経営者とスタッフでは、見えている視点は大きく異なり、スタッフにとって経営理念はどこか遠い存在のものであり、必要性を感じにくいです。まずは、スタッフには経営理念の全てを理解してもらおうとせず、経営理念を共有することから始めましょう。そして、経営理念を基にそれぞれのフェーズで目標を定めて達成する事が経営理念の理解を深めることにつながると思います。
デザインで解決できます
デザインには想いを形にして具現化する力があります。経営理念に込められた想いや伝えたい事を伝えやすくするための1つの手段がデザインです。
伝えたい事を伝えやすくする
伝えたい事を正確かつスムーズに他者に伝えるためには、伝えたい内容をデザインすること、つまり文章を読みやすく整えたり、イラストを添えたり、内容を反映したレイアウトを作ったりすることが不可欠です。どれだけ経営理念に医院の想いがあっても表現の仕方次第では、相手に伝わる印象や理解度も変わります。
イメージを視覚化してわかりやすく表現
院長や経営者の頭の中のイメージや想いを「視覚化」する事でわかりやすく伝える事ができます。経営理念を通じて「どのような経営を目指しているのか」「将来はこんな歯医者でありたい」といった医院としての方向性や判断軸をスタッフにわかりやすく示すことができます。
経営理念は想いを込めて、わかりやすく伝える
「進む方向を一つにして、スタッフ全員がそれに向かっていく」、これが組織として最も重要です。経営理念を通じて経営者とスタッフの意識を統一し、進むべき方向性に向かって進んでこそ、一体感が生まれ、患者さんが不安なく通院できる組織ができあがります。そのためにも経営者が大切にしたい想いが込められてないければいけません。人は思ってもいないことを心から体現することはできません。強い想いがあってこそ一緒に働く仲間にも共感してもらえるはずです。
そして経営理念を伝える時には、イメージを視覚化し、分かりやすい表現を用いる事で、どこか遠い存在に感じる経理理念を少しでも身近に感じてもらいやすくなると思います。その時に、院長がどのような想いで経営理念を作ったかという経営理念が作られた背景まで伝える事で、言葉だけの理解から中身への理解が深まるのではないでしょうか。
私たちにおまかせください
経営理念に関する事はもちろん、伝えたい事をどのように伝えたら良いかわからないなど、デザインに関するお困りごとは私たちにお任せください。
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まとめ
経営理念は、医院とスタッフが一丸となって目標に向かっていく進んでいくためになくてはならないものです。
経営理念がなぜ生まれたのか、そしてどんなことを意図していて作られたのか。この部分をスタッフ全員が理解できてこそ経営理念を策定する意味が出てくると思います。
医院のためにもスタッフのためにもそして、社会のためにも、経営理念に強い想いを込めて大きな目標に向かって前進していきませんか?