歯科医院の開業を考えている先生方に伝えたいこと

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歯科医院のコスト構造を理解した上で、開業・経営を

歯科医院を経営されている多くの方で、開業時から歯科医院のコスト構造を理解し戦略的に事業を行なっている理事長や院長は少ないのではないでしょうか。
また、経営のそれを理解できていなくても何とかやっている医院があることもまた事実ではないでしょうか。
この原因は、結論から言うと「医療という面に助けられている」ということが最大の要因だと考えられます。
“そんなに甘くないよ”とお叱りを受けるかも知れませんが、保険制度や行なった事に対して一つ一つ請求できる仕組みがある事は、他の業界では非常にありがたい事なのです。
その仕組みがある以上、もっと経営やコスト構造を理解して事業を行うことで、さらに経営を戦略的に行うことが可能であり、歯科業界の現状である構造不況業種からの脱却と他医院との差別化が可能になり、さらなる事業の安定化や拡大へと繋がる一助となることは間違い無いでしょう。
特にこれから開業を目指す先生には、是非とも経営やコスト構造を理解し、立地選定や店舗デザイン、ホームページや広告宣伝を戦略的に行なった上で開業して欲しく、またそのような事を理解した外部ブレーンとタッグを組んで欲しいと願っております。
それでは、細かく説明して行きましょう。

「固定費型事業」と「変動費型事業」の二つの事業について

ビジネスにおいて、年間の固定費額と変動費率の推移によって固定費型事業と変動費型事業の2種類に分けることができます。
ビジネスはこの構造によって効果的な経営手法が大きく変わってきます。 

歯科医院のコスト(経費)の「固定費」と「変動費」の割合を分析

歯科医院は「固定費型事業」である

歯科医院のコスト構造は上の図からも固定費が大半を占め、初期投資は高額であり、収益は患者様が来院して頂くことではじめて収益となるため、歯科の事業が「固定費型事業」という事が分かります。
また、「固定費型事業」の特徴として、下記の特徴があります。

「固定費型事業」の特徴

□多額な初期投資が必要

歯科医院の開業にはかなり莫大な初期費用、いわゆるイニシャルコストがかかります。内装にチェアやCT、他諸々の設備に費用がかかります。
また初期費用を安価に抑えると長い目で見たときのランニングコストが逆に増えたり、患者様へ提供するホスピタリティの低下により客離れに繋がるなど、安易に安い設備投資は後々自分の首を絞める結果に成りかねないので、慎重な判断が必要です。

□事業撤退の際に損失が大きい

初期投資にコストがかかる分、相殺するまでに非常に長い返済期間があります。
どれだけ稼いでも、毎月の返済で手元に残るのは僅かという、理想とは程遠い現実が待ち受けている事になります。
これらの事象の回避には、固定費型事業の本質を理解しながら経営を行うことが非常に重要となります。

□患者獲得が最も有効な事業戦略

「固定費型事業」の特徴として、コストの中で変動費の割合が少ないという特徴があります。
歯科において、補綴やデンチャー治療を行なった際、一つの治療に対して技工料=変動費がかかりますが、人件費や地代・家賃、宣伝広告費などの固定費に掛かるコストの方が圧倒的に多いのです。
また、収益の構造としても患者数×単価=売上であることから、患者様が来てもらえなければ、売上は上がらないのです。
よって患者様を多く獲得する事で利益幅がどんどん広がるという事業が「固定費型事業」の例となります。
しかしながら、歯科医院のビジネスは労働集約型のビジネスであるということを忘れてはいけません。1日あたりの提供できるサービスには限度がありますので、単に患者様をどんどん集患してもチェア数と人数でこなせる限界を超えることはありません。さらなる戦略が必要となります。

歯科医院の経営のポイント

□コスト削減よりも収入を重視

歯科医院のコスト構造は先ほども述べた通り「固定費型事業」であり、有効的な戦略はコスト削減よりも、収入増へ意識を持たなければなりません。
固定費の多くは、患者様の獲得に非常に重要な役割を果たす、スタッフさんの人件費、立地条件や地域の動線で集客の影響を受ける地代・家賃、そして現代では欠かせないホームページやWEBによる集患に必要な宣伝広告費となるので、コストの削減はあまり有効的な経営戦略とは言えないでしょう。
スタッフさんの人件費や広告宣伝費をケチった経営や、技工料などの変動費の削減ばかりに目が向けば、サービス力の低下、集患力の低下に繋がることは明白です。

□歯科医院の収益増はより患者様に来ていただく

当たり前の事ですが、患者様が来ていただいて初めて医院の収益となります。
まず、力を入れないといけい戦略は、集患です。
開業時の立地によって集患力に差が出ます。立地条件や地域の動線は非常に大切です。
また、コロナwith・コロナafterの時代になった現代ではデジタル・WEBでの戦略が非常に重要となります。ホームページを作って終わりだけでは、思うような集患とは行かないでしょう。コンテンツマーケティングやオンライン診療なども視野に入れて新患の獲得を行うことが重要な施策となります。
その他にも、飲食店やヘアサロンなどのビジネスと同様に「リピート」が非常に重要です。定期検診・メンテナンスへの移行のための院内プロセスの構築が合わせて必要となります。

□歯科医院は労働集約型ビジネスであることを忘れてはいけない

しかしながら、戦略的な運用で宣伝広告を行い多くの患者数を獲得しても、患者数×単価=売上の構図から想像できる通り、保険だけの単価をいくら患者数で積み上げても、売上には上限があります。
また、1日あたりの提供できるサービスにも限度があり、単に患者様をどんどん集患してもチェア数と人数でこなせる限界を超えることはありません。
現状よりも売上を上げるにはチェアを増やすか、1人あたりの単価を上げるしかありませんが、チェアの増設には多額のイニシャルコストがかかります。なので選択肢は「1人あたりの単価を上げる」ほか無いのです。セミナーやコンサルが自費に力を入れましょうと言われる所以がこれです。
歯科のビジネスでは、「保険新患」「メンテナンス」「自費診療」の3本柱を構築することが大切です。

□労働集約型ビジネスにとって自費の薄利多売は危険

また、この自費の診療を薄利多売戦略をとって経営を行なっている医院さんが少なからずいらっしゃいます。しかしながら先ほど述べた通り、歯科は労働集約型のビジネスであり、1日あたりに提供できるサービスに限度がある事をを踏まえれば、安易な値引きは一生懸命働いてくれているスタッフさんや自分の首を絞めることに繋がりかねないので、値決めはしっかりと算盤を弾いた上で行わなければなりません。

歯科医院の開業場所について

□地代・家賃と宣伝広告費は表裏一体

歯科医院の経営のポイントとして、患者様の集患が非常に大切だということは理解して頂いたと思いますが、集患するための要素として、“立地”は非常に重要です。
開業場所を選ぶときに、単純に家賃の安い高いは、場所の魅力に比例していると考えて良いと思います。
家賃が安い=場所の魅力が少ない=集患力が弱い(人が少ない)可能性が高い
と考えて良いかも知れません。
かと言って、高価な家賃の場所じゃないと集患できないという訳では無く、地域の動線や、ターゲットとなる患者様の層がどれくらい住んでいるかなどを、予め想定した上で開業場所を決定する方が賢い選択だという事です。
なぜなら、収益は来てくれる患者様の数が重要であり、都心部以外は限りなく地域密着となり、その狭い地域で患者様を取り合わないといけなくなるからです。
そのため、ターゲットに医院を知ってもらう宣伝広告(ホームページなど)が非常に重要になり、事業を行う場所にかかる費用と、宣伝広告による集患のための費用は両輪で考える必要があります。

集患のための戦略

□家賃と宣伝広告費で最大15%

下記の図でも分かる通り、歯科におけるコスト構造は地代・家賃=7〜10%、宣伝広告費=3〜5%が平均で、最大で15%となっています。
年間の売上が5,000万円の医院さんで、家賃350〜500万円/年=30〜42万円/月が目安となり、宣伝広告費150〜250万円/年=12.5〜20万円/月が良い集患のための費用の目安となるでしょう。

新患・増患には、戦略的な宣伝広告を

ホームページによる集客に疑問を持たれている先生方も多いかも知れませんが、単に見た目だけにこだわったホームページや経営指針に基づいた組み立てが出来ていないホームページは効果が少ないかもしれません。

□患者様を増やすために、いかにマーケティングや広告における経営戦略を行うかが重要

「固定費型事業」にとって患者様の獲得が最も有効な事業戦略ということがわかりましたが、患者様に来院して頂くには何が必要でしょうか?
外部の事務長やコンサルタントをアウトソーシングして、患者様の獲得ができるでしょうか?彼らは内部の強化ができたとしても、外に向けて貴方の医院の良さや強み、他の医院と差別化された戦略を打ち出しPRする事が可能でしょうか?
歯科医院の成功の秘訣は、マーケティングと広告、それらと共に“経営”にも特化した人間とタッグを組み、あらゆる戦略と戦術を立て、ターゲットやニーズに対して効果的に医院の強みや良さを発信してもらう事が一番の得策と言えるではないでしょうか。

□市場と患者様の要求を見極め変化し続ける

2022年から24年にかけて団塊の世代が75歳を超え、2035年にかけては医療需要は16.8%減少と予測されています。
また、日本の人口は2030年で1億1912万人、2053年には1億人を割り込む推計が出され、患者様の取り合いはさらに加速する事が簡単に予想できます。
また、1989年と2015年の1人平均う蝕歯数を比較すると、3歳児が2.9本から0.6本、12歳児が4.3本から0.9本に減少しており、3歳児、12歳児ともにう蝕有病率は年々減少傾向にあり、患者様の要求は虫歯の治療だけでは無く、歯周病も含め口腔内を総合的に美しく綺麗にしてもらえるか、整った歯並び・噛み合わせにしてもらえるか、という要求へ変化していくと予想されます。
それらへの対応が可能な事を、外に発信してターゲットへ知ってもらわなければ、いくら技術や設備投資をしても無いとの同じになってしまいます。

まとめ

歯科の経営では、まず、患者様に来て頂かないと収益は上がらないという事。さらに、いくら院内の設備や技術、組織を強くして他の医院との差別化を計っても、その良さを外に発信してターゲットへ知ってもらわなければ、集患には繋がらないという事です。
歯科の開業にあたり、場所選びが終われば、次は、共に集患のための戦略を練って、外へ発信し、的確にターゲットへ他の医院には無い良さを届けてくれる、デザインコンサルタントと外部契約を結んで念願の歯科経営を行う事をお勧めします。




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